[vol.7]着物と”文様” | 山形 着物の販売・レンタル・着付け|とみひろ呉服サイト
[vol.7]着物と”文様”
2025.12.29
着物の豆知識
「雪輪のきもの」
二十二歳の春
初めて着物を誂えた。
黒地の生紬に鮮やかな青紫の袋帯。
着物には摺り友禅で描かれた
握り拳程の雪輪。
飛び柄でレトロな雰囲気。
帯は版彩でパステル色の星座柄
ポップな古典は不思議と主張しすぎず
くすんだピンクの平の帯〆
雪輪と同じ象牙色の帯揚が
ぴったり合った。
二十六年後の今も一番好きな着物。
そして私は「雪輪」の
虜になっていった。
雪輪は雪の結晶から生まれた柄で
輪郭をふんわり曲線で結んだ
円形のフォルムが儚げでとても美しい。
曖昧な存在だからだろうか
他の模様と良く調和し
デザインの自由度も高く
冬の風物詩なのに
清涼感を求める夏にも使われる
万能選手。
自然界で最強の形である六角形の変形とか
円が部分的に欠けた輪郭の模様が
完璧でない自分を表す
謙遜のメッセージがあるとか・・・
諸説もまた素敵なのだ。
当時、化粧っ気も方向性も見えない
棒立ちの私にプロが選んでくれた
雪輪の着物は
らしさと未来の色をくれた。
ハラハラと舞っては消える
雪を愛でる季節がくると
体の芯が熱くなる自分に気づく。
庭多泉 店長 伊藤
文様が持つ奥行きは、
着物と向き合う時間の豊かさを感じさせます。
意味や背景を知り、身に纏うことで、
きものとの向き合い方は、静かに深まっていきます。
ぜひ店頭で、文様の世界にも触れてみてください。