紬のある暮し|その二 | 山形 着物の販売・レンタル・着付け|とみひろ呉服サイト
紬のある暮し|その二
2026.01.13
着物の豆知識
「紬という着物」
紬(つむぎ)は、「先染め」といって、
糸を先に染めてから織り上げる着物です。
一般に、紬は礼服には向きません。
けれどその分、お洒落着として、
日々の暮らしにそっと花を添えてくれる存在です。
日本各地には、産地ごとに個性あふれる紬があります。
たとえば、緻密な絣模様が美しい大島紬。
ふんわりとした真綿の風合いを持ち、
「親子三代に受け継ぐ着物」ともいわれる結城紬。
いずれも、日本の伝統的な職人技によって生み出される織物で、
一つひとつの工程に高度な熟練の技が求められます。
完成までには非常に手間と時間がかかり、
その積み重ねが、紬ならではの奥行きを生み出しています。
ここで、紬の良さを少し挙げてみましょう。
丈夫で長持ちすること。
着心地がよく、お手入れが比較的楽なこと。
しわになりにくく、
コーディネートの自由を楽しめること。
ワンピースのように。
スーツのように。
ときにはジーンズのような感覚で。
これが、紬という着物です。
お客様から、
「この着物、この帯、この小物で大丈夫でしょうか?」
と聞かれることがあります。
けれど、鏡の前に立って
ご自身が「これは違うな」と感じたら、それは違う。
逆に、「これでいい」「これが好きだ」と思えたとき、
それが最高のコーディネートなのだと思います。
先日、桂米朝生誕百年記念の落語会へ行ってきました。
噺そのものはもちろんですが、
私にはもう一つの楽しみがあります。
噺家さんの袖口からちらりと見える長襦袢や、
手ぬぐいの柄。
着物好きというのは、
こうした“見えない細部”にこだわるものです。
紬の着物を通して、
日本の伝統文化を、
ぜひ日常の中で体感してみてください。
表参道 店長 宮良
紬は、日常にすっとなじむ着物です。
けれど、文様や織りに目を向けると、
その奥には長い時間と人の手が重なっています。
装いとして選ぶだけでなく、
背景ごと楽しむ一枚との出会いを、
とみひろでお手伝いできれば幸いです。